IPアドレス…?ど…ドメイン…?全部は難しいので重要な部分を解説していきます。IPアドレスやドメインを学ぶことでIPアドレスやドメインがどういうものかわかる。どういう時にインターネットで個人が特定されるかわかる。
① 概要
「インターネットの仕組み概要」で安全で安定した通信を行うためにインターネットには様々なルールがあると紹介しました。「IPアドレス」と「ドメイン」はそのルールの中で使用されています。さらに言うとインターネットの情報をやり取りする際に使用されているのがIPアドレスとドメインです。コンピュータ同士が使っている共通の言語みたいなものです。
② IPアドレスとは
IPアドレスってメールアドレスのアドレスと同じ…?いい線いってるね。IPアドレスは「それぞれのコンピュータに割り振られている番号」のことです。前回の記事では「サーバーにリクエストを送りレスポンスを受け取る」というインターネットの仕組みを解説しました。しかしリクエストを送るためには相手「サーバー」の場所を知っている必要があります。この時に相手の場所の目印として利用しているのがIPアドレスです。IPアドレスは数字の羅列で構成されています。例えばGoogleのIPアドレスは「172.217.14.195」です。そのためWebブラウザで「172.217.14.195」と検索すればGoogleが表示されます。また一つのサービスが複数のIPアドレスを持つこともありGoogleも「172.217.14.195」「172.217.26.100」といったようにいくつものIPアドレスを持っています。
◯有名サービスのIPアドレス「例」
●Google:172.217.14.195
●Facebook:31.13.82.36
●Yahoo!:183.79.250.123
でも普段はIPアドレスで検索しないですよね?するどい!普段から目にするのは「https://www.google.com」みたいな形ですね。例えば友達に「このサイト見てみて」と教える時も「https://○◯.○◯/〜〜」といった形式が使われています。IPアドレスだけでは大きな不便が生じるからです。確かにIPアドレスだと覚えられないしサイトの違いもわからないね…。そこで登場するのが「https://www.google.com」のようなドメインですね。
③ ドメインとは
ドメインはIPアドレスに住所のようなわかりやすい名称を割り当てたものです。IPアドレスとドメインの関係はGPSの座標と住所の関係と似ています。
◯ IPアドレスとドメインの関係
● IPアドレス→GPSの位置情報「例:北緯35度30分36秒」→特定の場所を表しているが数字の羅列でわかりにくい
● ドメイン→手紙の宛先「例:大阪市北区リベ町1−2−3−101」→わかりやすく覚えやすい。ドメインがあると一目でわかるから使いやすいね。IPアドレスからドメインに変換する時も「DNSサーバ」っていう専用のサーバーを使っています。例えば「google.com」というドメインで検索すると自動で「172.217.14.195」を検索したことになります。
◯● Googleが表示されるまでの流れ
❶ スマートフォン:「DNSサーバさんgoogle.comのIPアドレスを教えてください」
❷ DNSサーバー:「172.217.14.195です」
❸ スマートフォン:「172.217.14.195『Google』さんのサイトを見たいので情報をください」
❹ Googleのサーバー:「これです」のようにGoogleのサーバーに行くまでにそれぞれのサーバーとやりとりを行っているのです。いろいろなサーバーがそれぞれ違う役割を持っていると覚えるといいかな。
④ 自分のIPアドレスについて
ここからは自分が持っているパソコンやスマホのIPアドレスについての解説です。パソコンやスマホをインターネットに接続すると自動でIPアドレスが割り当てられます。しかもIPアドレスは設定しなくても別の番号に変わっていきます。なんでそんな事するの?「安全に接続するため」や「IPアドレスを作れる数」の問題など仕組みや振り分け方法は複雑なので「IPアドレスは変わる」と覚えておきましょう。
◯ IPアドレスから自分の住所が特定される?
IPアドレスには わかる情報とわからない情報があります。
◯● IPアドレスから わかる情報と わからない情報
わかる情報
● 国
● 地域「都道府県」
● IPアドレスを保有している組織
● インターネットプロバイダ
わからない情報
● 名前
● 住所
● 性別
● 年齢
● 詳しい位置情報。これが何か関係するの…?
特に覚えておいて欲しいのはIPアドレスでわからない情報です。家庭用のインターネット回線を使用している場合はIPアドレスから「使っているプロバイダ」「大まかな住んでいる地域」までがわかります。もし会社や学校のインターネット回線を利用している場合は「学校」「会社名」までわかることもあります。ネットの振り込め詐欺はIPアドレスで「わかる情報」と「わからない情報」の差を悪用しているのです。
◯● 詐欺でよく使われる言葉
● 「やましいサイトにアクセスしましたね?」
● 「大阪府に住んでますよね?」
● 「プロバイダはOCNを使ってますね?」
● 「会社は株式会社◯◯じゃないですか?」
確かに会社名まで出されるとドキッ!とするかも…。相手はIPアドレスから個人の特定はできないのにあたかも全て知っているようにいってきます。そんな時に「IPアドレスからわかる情報・わからない情報」を知っていれば煽られるリスクをへらす事ができるかもね。
◯ 事件や捜査の時はIPアドレスを利用することも
じゃあIPアドレスを知られても個人の特定はできないんだね。そう言いたいところですけど例外もあります。例えばWebサイトの誹謗中傷が書き込まれたとします。Webサイトの運営者は書き込んだユーザーのIPアドレス・プロバイダがわかるのでサイトの運営者はプロバイダに対して「△月△日の□時□分に◯◯というIPアドレスを使っていたユーザーの情報を教えてください」と情報開示を求める事ができます。これを発信者情報開示請求といいます。個人情報なのでいつでも好きな時に見れる訳ではないですが訴訟をして認められた場合はプロバイダから開示された個人情報をもとにして「誹謗中傷を書き込んだ人」が特定される流れになります。さらに事件性が高い場合は警察からの請求であれば訴訟をしなくてもプロバイダはすぐに情報開示をする必要があり早期特定をする場合に活用されています。ネットだからって悪いことしちゃダメですね。なおTwitterやInstagram等のSNSでも同様に発信者情報開示請求をすることができます。
⑤ まとめ
知っておけば役に立つこともあるのでどんどん知っていきましょうね。
コメント